池谷裕二先生の最新脳科学から考える勉強法!

2020年1月24日 カテゴリー:塾長ブログ

著書より、抜粋して書きました。

Q教科書を読んで理解を深める勉強法と、問題を多く解く勉強法、どちらがテストの点数を高められますか?

Aどちらも大切ですが、実験では圧倒的に問題を解くことの方が点数がとれました。授業を聞く、教科書を読んで理解する等をインプット学習。問題を解く、つまり脳から答えを引き出すことをアウトプット学習といいます。入れないと出ない、それは当然のことですから、まずはインプット学習から始めて、試験の直前は問題演習のアウトプット学習、これが理想的なテスト対策です。傾向として問題演習のアウトプット学習の方が、脳をフル回転させるため、避けるのが人間の普通の行動です。問題を時間を計り多く解くことが勝利に近づきます。脳が嫌がることをやらないと結果は出ません。

Q朝早く起きて勉強することはいいことですか?

A早起きは間違いなくいいことですが、記憶する勉強には適しません。実験でも寝る直前の方が、圧倒的に記憶の定着が多くなりました。朝は数学とか、記憶することが少ない教科を学習しましょう。

Q英語が嫌いで、特に単語が覚えられません。何故でしょうか?

A脳には記憶できる限界があり、不要なものは覚えさせたくないのです。ですが、過去の怖い体験は明確に覚えていたりしませんか?脳の中の海馬という部分が「生きていくために不可欠かどうか」を判断し、長期記憶か消去かの判断をします。残念ながらあなたの海馬は、英語の単語はどうでもいいものと判断しているということです。

Qどうすれば、いやな英単語や歴史の内容を記憶できるのですか?

Aやはり、脳の中の海馬という部分が鍵を握ります。そこに「生きていくために必要なもの」と判断させることが大切です。方法はさまざまですが、結局は何度も繰り返し学習するこそが肝心。あとは五感を使って覚える、楽しく学習するなどいろいろあります。言えることは「こんなの人生に何の役にたつんだ!」と考えながらの学習は最悪です。役に立たないものと思っている時点で記憶などするはずありませんから。

Q「腹が減っては戦は出来ぬ」という言葉があり、夕食後に頑張って勉強しています。それは効率がいいのですか?

A生物にとっての空腹は危機的状況です。そういった状況の方が、学習した内容を多く記憶しようとします。夕食前の空腹の時間こそ学習の格好の時間帯なのです。

Qテスト前のみ一夜漬け勉強は「それだとすぐ忘れてしまうよ!」と言われていますがどうなのですか?

A本当のことです。一度っきりの一夜漬け学習だと、脳で一時的に記憶しているにすぎず、多くは抹消されてしまいます。海馬が記憶しておく必要があると判断したら脳の外側にある大脳皮質に記憶されるのですが、そう判断されにくい学習法となります。少しづつ毎日学習・復習するほうが“重要な内容”と判断され海馬を通過し、長期記憶となるのです。

Q寝る間も惜しんで、死ぬほど勉強しているのに結果が全く出ません。何が原因ですか?睡眠は3時間です。

A一日に睡眠を6時間以上とることが絶対に欠かせません。脳の中の海馬は睡眠中に短期記憶を整理整頓し、長期的に記憶するべき内容かを検討するのです。睡眠が少ないと、その活動が中途半端となります。脳は、他にもいろいろ眠っている間に活動をしています。ある意味、睡眠も学習と考えて大切にして下さい。

Q音楽を聴きながら勉強すると落ち着き効率があがるように思います。でもダメとも言われています。どちらです?

A人間は、防音壁に囲まれた無音の空間では集中力を欠き学習能力がてきめんに低下します。BGM程度の音楽は、ある程度集中して学習するのに効果があると思います。

Q得意科目、不得意科目、まずはまどどちらを頑張ればいいのですか?

Aこれから頑張ろうとしておられるなら、得意科目をまず伸ばしましょう。ある分野の理解の仕方を覚えると、他の分野に対する理解の仕方も自然に上達します。「理解の仕方」を実は一緒に記憶しているのです。それを他の教科でも利用する、それを「学習の転移」と呼ばれています。